ビル・建物について

家を仕舞う。

「終活」という言葉で、いろいろと身の回りの仕舞いを考える方が増えました。
ご主人に先立たれて、自分自身も高齢となり、周りのご友人や親せきも亡くなっていく…
となると、ネガティブな考え事が増えてしまうのも致し方ないかもしれません。

「主人が一生懸命建てた家。この後自分の身に何かあれば、空き家になってしまうだけ…。」
相談者にはお子さんが2人おられますが、どちらも嫁がれておりこの家に戻ることはありません。
もしも突然相続が発生すれば、家の権利はそれぞれに2分の1。
スッキリとした話のようではありますが、難しい問題もありますね。

・住まずとも、しばらくこのままで残しておきたい
・少し小ぎれいにして賃貸物件にしたい
・すぐに解体して土地を売却したい
選択肢は他にもありますが、それぞれ家への思いに差もあり、方針が整わないかもしれません。

また、万一突然の事故などで、ご本人が決めごとをできない状態となってご存命となると、
家はそのまま残す他なく、誰も住まずとも費用をかけて管理、維持することになります。
所有者の意向なくては、勝手に賃貸契約することも、壊すこともできません。

「主人が建てた家は、私の目の黒いうちはこのままで・・・」というのも、
無理はありませんし、お気持ちは重々理解できます。むしろそれが当たり前とも思えます。
この度のご相談者も、そのような思いはしっかりと大切にされていますが、
「私に何かあった時、大切な家をお荷物にしたくない。家族みんなが幸せな形にしたい。」
という、とても前向きな考えを持っておられます。

ご本人のご意向を十分理解し、ご家族皆さんの幸せを考えたうえで、
今回は「リースバック」のご検討をおすすめしています。
ご本人が元気なうちに家を売却し、その売却益から家賃を支払いながら住まい続ける方式で、
所有権は移転しますが、今まで通り何も変わることなく、周りにも知られずに生活します。
介護施設や老人ホームに移転、あるいはお亡くなるなどの事態によって、賃貸契約は終わります。
その後の建物解体や売却などは、既に解決済みの問題として、誰も悩むことがありません。
もちろん大切な資産ですから、前述のように精神的側面がクリアーであっても、
売却金額と家賃のバランスなど、具体的な損得勘定も含めて重々検討が必要です。

なかなか話しづらい、こちらからは聞けない・・・それも普通のことと思えますが、
現在、ご家族の皆様が冷静に前向きにご相談をされています。
ですので、リースバックの採用有無にかかわらず、このご家族の未来は明るいと感じています。

お手伝いに関わらせていただくこと、大変ありがたく存じます。

コメントを残す

*

CAPTCHA