ビルの雨漏り

「雨漏り診断」の軽視・省略は禁物。

「雨漏り診断」=雨漏り原因を見つける。
サラッと言うと、とても簡単な響きですね。
でも、これが何とも奥が深いのです。
原因を究明せずに補修し、解決した気になっているケースがままあります。
「安価で直せてよかった!」も束の間。
雨が降るたびガックリされる方もおられると存じます。
ビルオーナーにおかれては、大事なお客様であるテナントにも影響します。
備品が濡れててしまった、業務に影響が生じた、イライラする・・・
解決したと思ったことが繰り返されると、苦情も尚更です。
この問題の原因は「雨漏り診断(調査)の軽視」が大半です。
雨の入口を見つける→適正な修理を施す、単純なことですが、
このプロセスが成立するために大切なことがあります。
まずは、「雨の道」の仮説立て。
どこから入って、どこを通って、ココに出る。
この仮説立てが大難関です。
経験や知識が必要なことは言うまでもないですが、
時にはすべての先入観を取り払って、一から出直すこともしばしば。
なんで?どうして?う~ん…。なるほど!いや、本当か??
そんな自問自答を重ねて、できるだけ多くの仮説立てをします。
そして重要なのは、その仮説に基づいて、実際の雨を再現した散水調査を行うこと。
→仮説立て
→原因とした位置に水をかける
→思った通りに水が出る
→そこを治す
→再度水をかける
→水が出ない
→そこは解決※他にも原因が潜む場合が多々あります。
原因の仮設立てや修理が適正だったことを証明できるのは、この散水調査だけなのです。
もちろん散水調査を行うことが目的ではありませんので、ケースバイケースではあります。
ただ、それを軽視する、省略することが問題なのです。

『雨漏りは建築のプロが、真剣に取り組むべきこと。』と、
雨漏りに向き合い始めたのが17年ほど前。
その時に抱えていた、ビルの雨漏り3件が結果として超難解物件でした。
何度も何度も手を加えても、繰り返す雨漏り。
原因が分かった時の何とも言えない達成感、脱力感。
ビルオーナーの大切な時間を奪い、物的にも心理的にもご迷惑をおかけしたことへの反省。
長期間の取組みについて、最後にご理解いただいたことへの感謝。
お蔭様で今があり、雨漏りのご相談を受けるとついつい熱くなります。
ビルの雨漏りへの取り組みは、私の使命と感じています。

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