工事が伴わなくても施工者の視点を持って、「建物の健康管理」「建物の困り事」などをお気軽にご相談いただきたい・・・そんな思いを強く持っていました。
【マンションの漏水】
以前雨漏りの解決でご縁ができた不動産会社の社長様から、「友人が住むマンションで困っているのだけど、助けてもらえないか・・」とお声掛けいただきました。
7千万円もする高級マンションを購入されて、生活して2年足らずで湿気やカビに悩まれていました。新築物件でしたから、当然施工者の方が責任もって対応をされていましたが、どんなに丁寧に説明しても、奥様の不信感は強まるばかりで感情がもつれてしまっています。
そこで私は冷静な第三者として、『ひとつひとつ丁寧にもつれた糸を解く』ことが使命です。
現状の調査報告、住まい手の声、施工者の声、販売会社の声、すべてを冷静に受け止めて整理します。施工者の不手際は間違いありませんが、それを責めていても進みません。
幸い関係者すべてが、解決に向けて前向きに逃げることなく取り組む覚悟がありましたので、時間の経過と共に、まさに糸口が見えてきました。
原因などは伏せますが、最終的にご家族は一時別のところへ仮住まい、スケルトンにしてすべてを造り直すという結果に至りました。
奥様からお手紙をいただきました。「恵さんがいなければ、私はここまで来ることはできませんでした。」と、何度も何度も感謝の言葉を綴ってくださいました。初めてお会いした時の落胆の表情、涙、忘れることができませんでした。ですが先日お会いした時の満面の笑顔が、すべてをかき消してくれました。
建物が、人生や家族の生涯を左右することもある。それほど重要な仕事に関わっている。
と、あらためて真剣に取り組んでいく決意を固めた次第です。
【既存住宅状況調査技術者資格】・・・長くて噛みそうです。(笑)
中古住宅の流通促進のために、国交省が新たに創設した資格で、建築士資格を有する者しか取得することができません。最近よく耳にする「建物のインスペクション」の信憑性が高まることで、買主が安心して中古住宅の購入ができるようにという取り組みです。
現在、中古住宅の売買について、2件のご相談を受けています。
「とにかく新築!」という時代ではなくなった・・・
であれば、皆様のお役に立つにはこちらも重要な仕事です。