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あとでかかるお金

昨日、改修工事足場の道路占用手続きに行った。
足場が道路にはみ出ると(都内は敷地一杯だからたいがい出る)
図面を引いて書類を作成し、役所と警察に届ける。
面積×期間で計算した金額を納付する。
また、資材の積み下ろしなどの作業については
別途道路使用届けを警察に提出する。
これが1回二千五百円もする。数年前はニ千円、その前は千五百円
私たちの税金で出来た道路を使うのに、
それを工事で使うと何でお金かかるの?
そのお金はどこ行っちゃうの
値上げになる理由は?・・・いつも疑問なのにそのまま屈する・・・。
で、文京区役所に行ったのだが、なんともすごい建物だ。
規模・形状・デザインとどこをとっても「区役所」とは思えない。
造る時のイニシャルコストは一時。
でもランニングコスト・メンテナンスコストは一生付きまとう。
問題はここなのだと思う。
あとでかかるお金。これって大きい。
それを極力抑える検討がなされたのか疑問だ。
私たちが携わる規模の建物でもその点は要注意だ。
ガラス張りの素敵な建物ならば、メンテとして清掃は欠かせない。
(その代わり大規模修繕はシ-リング工事程度で済むというメリットも)
収益のため地下も造ったなら、
汚水タンクの清掃やポンプのメンテが発生。
エレベーターの保守も同様。
建物を持つということは、あとでそれなりにお金がかかる。
そのことを計画段階から配慮しご理解を得ておくことが重要だ。
バブルの時、普通のサラリーマンやその辺のおじさんが
多数ビルオーナーになった。
これで生活安泰、収益で左うちわと誰もが思った。
いま収益と借金の返済が成り立つことは少ない。
最近当社の得意先3件が、ビルを手放した。
そのうちの1件のおばあちゃんから
5年ほど前に言われた言葉が忘れられない。
「こんなことなら建てるんじゃなかったよ」
建築屋として、とても悲しい言葉であった。