地下鉄の工事は普段見えないところで進んでいるので
「5年後に完成予定かあ、まだまだ先だな・・・」なんて思っているウチに
「もう完成か」となる。
明治通りの下、渋谷から池袋までの間で、
だいぶ以前より工事していた地下鉄13号線も、いよいよ来年の6月に開業。
当初、今年の開業という予定で始まったかと思うけど
まあ、長い間には想像を絶する程のいろいろなことがあったろう。
正式名称も「副都心線」に決まったようだ。
今日はご縁あって、その地下鉄工事現場内の見学という
貴重な体験をさせていただくことができた。
明治通りのど真ん中にある、小さな入口から入坑。
いつも車で通るたびに、中がどうなっているのか気にかかっていた。
工事の現況は、土木の躯体工事が終わり、これから建築の仕上げ工程へと入るところ。
つまり、土中をシールド工法で突き進んでいたり、
たくさんのH鋼が立ち並んで土の崩壊を防いでいるような、
厳しい工程は既に終えていて、コンクリートのトンネルやプラットホームが
綺麗に打ちあがっていてレールも取り付き、
正にこれから仕上げの段階への引継ぎの状況。
「凄い・・・」
これから新しい地下鉄の計画も近々にはないので
こんな機会はもう一生ないのではと思う。
線路に降り立ちレールをまたぎ、延々と続くトンネルをみつめ、
この状態になるまでのドロだらけの坑内が目に浮かび(もちろん想像だが)
胸にこみ上げる熱いもので、言葉も失った。
現場責任者のご案内で渋谷方面へと歩くなか、
「ここは○○ビルへの出口です」
「ここはこれから掘って、新宿南口へと通じます」
土木工事の測量精度にはいつも尊敬の念をいだく。
高速道路・橋梁・そして地下鉄。
こんなに大規模な工事で、すべてがピタリ結びついていく様に感動すら覚える。
「この上は甲州街道です」
「あそこに見えるコンクリートは上を通る丸の内線の底盤の下面です」
当然だが高度な技術力がなければ成し得ない。
もうココまで来ると唸るしかない。
土木と建築は違う。
土木は大雑把で建築は細かい・・・などと勘違いしていた時もある。
とんでもない。日本の土木工事の精度・技術に感動である。
「私たちの仕事はもう終わりに近づいています。
これからホームや改札、駅舎などの建築工事に引渡しです。」
笑顔で語られていたが、ココまでの道のりは半端な物じゃなかったはず。
尊敬と感謝で深々と頭を下げた。