地下駐車場には雨が流れ込み、床コンクリートの下に隠れるピットに溜まります。
それを水中ポンプで道路の公共排水に送り出します。
また、地域によっては地下水がコンコンと湧きだしています。
ここはまさにそんな地域で、ポンプが故障すると車水没の危険性が高い状況。
過日そのポンプの電源で、漏電ブレーカーが働いて停止。
床上に水が出始めたところでビルオーナーが気付かれました。
そこは応急処置で危険回避できましたが、異常続きの気象も踏まえ、ポンプを更新することになりました。
既存のポンプを取り外して、新規のポンプを設置する…
ということは、一時排水ができない時間が生じます。
そうするとあっという間にピット内の水位が上がり、作業ができません。
そのため、まずは仮設のポンプを設置して、作業中の安全を確保します。
はるか先の道路まで排水ホースを伸ばします。
取り外したポンプは、好ましくない配線状態が見られ、漏電の原因となっていたようです。
いままで設置されていたポンプは1台でしたが、今回は2台設置へと増強。
異常気象に備えての配慮を、ビルオーナーがご理解くださいました。
2台が交互に働き、1台で賄えないような水位上昇があれば、2台で力を合わせて排水する仕組みです。
「想像を絶する台風…」「50年に一度の雨量…」
そんなことが頻繁に起きるようになった今、どこまでやっても「完璧」はありません。
だからこそ、この異常な変化には、今までと違う対応をしていく必要があります。
世の中の「普通」「常識」が次々と覆されていますので、ちょっと余計と思えるようなことも「もしも自分の建物だったら」という視点で積極的に提案しています。
ビルオーナーが欲しかったのは、新しいポンプではなく「安心」。
そこにフォーカスした結果です。
台風・秋の長雨の前に、間に合って私も一緒にホッとしています。