つい先日、ドラム式洗濯乾燥機に男児が閉じ込められて、窒息死するという痛ましい事故が起きた。届いたばかりの洗濯機に、男児はとても興味を示していたという。細かいことは知る由もないが、いずれにしても、どこで起きても不思議ではない、とても悲しい出来事だ。
抜粋して新聞記事を引用すると・・・
「起動中に洗濯物が引っ掛かるなどして開いてしまわないよう、内側からは開閉できない設計となっている機種が多い。」※記事の通り引用したが、正しくは開閉できないのではなく、閉めるはできても開くはできない、だろう。
「各社は洗濯機本体に警告のシールを貼ったり、子供が操作できないようロック機能を設定したりしている。ただ、カビ止めのために、ふたを開けたままにする家庭も多い。」
「周知が徹底されているとは言えない。台なども近くにおかないようお願いしているが、子供が持って来れば防ぎようがない。」
「ゴムバンドをかけて、ふたが開かぬようにするなど生活の知恵も紹介している。」
「内側から開けられる仕組みにしても、子供が操作できるとは限らない。どんな機種であっても中に入らせないことが一番だ。」
最後の一言、誰でもそう思う。「中に入らせないことが一番」なのだ。
でも、それができなくて今回の事故が起きた。
私はその記事を読み終えて、「完全に中に入らせないこと」ができないなら、「もしも中に入っても安全にする」方が得策ではないかな?と思った。
簡単に言えば、「中に入っても、ふたが閉まらなくする」こと。
中に子供が入ることは稀でも、当然普段大人が使用する時も、簡単に閉まらなくはなる。
つまり、外から開けるのは簡単だけど、洗濯物を入れてふたをパタンと閉じても、最後の1センチでツメに引っかかって閉まらない。ちょうど、玄関ドアを開けて、施錠状態にしてドアを閉めて、風通しをしているのと同じ要領。
そして、その最後の1センチは、子供の手の届かない、あるいは複雑で子供にはわからない「防閉解除装置」なるものを、操作することで閉めることができる。洗濯中も誤って開くことはない。
ふたが開かない為の安全装置はだめだ。先に書いたように、開け放しにする方もいるし、閉めた時施錠を忘れれば機能しない。まして、閉めたら自動施錠では、元の話に戻ってしまう。
もっともメーカー各社、既に優秀な方々が研究済みで、その方法にも問題ありなのかも知れないし、私が思い付きで言っていいほど簡単な話でもないのだろう。このいたましい犠牲を機に、いろいろな新対策が生まれる事を望む。
現場でも、当たり前の使い方だと役に立たない物でも、ちょっと見る方向を変えると、思わず役立つこともある。「それが当たり前・・・」という観念を持ち続けると、発想の転換はできないなと、つくづく思う。
■新聞は一紙しか読んでいませんので、その記事の内容がすべて・・・という前提で書いています。もっと他に知り得ぬ情報が多々あるかと思いますが、その点はご容赦くださいませ。