鉄骨造ALC版外壁の建物。
雨漏りのご相談をいただき、現地でお話を伺いました。
■大雨・長雨・強風の時(・・・と思う)
■雨が降ってから、だいぶ時間が経ってから出てくる(・・・と思う)
■天井とか壁伝いで漏れてくるのではなく、床の端っこから湧き出してくる感じ。(キッパリ)
簡単なお話は聴いていましたので、先入観を持たない程度に想像していました。そして、現場に行ってみると概ね想像通りの状況となっていました。
ゲリラ豪雨と言われるような、短時間の大雨や、長時間にわたって雨が降る時などに、良く見られる事例です。簡単に言ってしまえば、床面の内外高低差によるもの。(実はそれほど単純なことではありませんが、ここでは簡単に。)つまり室内の床の方が、室外の床(土やアスファルトなどの地盤面)よりも低いために、室外の雨水が、基礎コンクリートの継ぎ目から浸入したものと考えられます。
「コンクリートの継ぎ目って、そんなに簡単に水が入っちゃうの?」と疑問に思われるかもしれません。
入っちゃうんです。(笑)
もちろんその部分に、雨水が入りにくくなるような「雨仕舞のしくみ」や「防水対策」を施してあれば、雨水浸入を軽減、または皆無に近い状態にすることもできます。
それなのに、雨漏りの事例として多いのはなぜか?
■そもそも、その部分がウイークポイントという事を知らないで造っている。
■ウイークポイントとは知っているけど、手を入れるのが面倒な場所だからあきらめた。または、工程の上で、手を入れる時間の余裕などなかった。
■設計図に書いてなかったから、何もしていない。(知っているとか以前の問題)
■できる限りのことをしたが、それが適正に働いていない。もしくは、その対策が経年で劣化した。
この雨漏りの『原因』は、コンクリート基礎の継ぎ目から雨水が浸入・・・ではありますが、根本的な原因は上記のような人と現場の『事情』によるものと思われます。もちろん、どれも想像ですが。
建てる時に、知識+ひと手間があれば起きなかった雨漏り。
実は、私が現場監督した現場でも、同様のミスを起こしました。私の『事情』は知識不足。経験不足でもあります。お客様にも大変ご迷惑とご不便をおかけしました。だからその後は、二度と同様のミスを起こさぬよう学び、ひと手間かけることを惜しみませんでした。
現在は新築工事に携わっておりませんが、こうして雨漏りの現場に来ると、造り上げていく過程を頭に浮かべ、「うーん。ありえる。」などと、当時を思い出して納得しているわけです。
さて。どうやって修理しましょうか。失礼ながら楽しみです。(笑)