築38年、鉄筋コンクリート建物の2階で、排水管の取替え工事を行っています。
2階のテナントさんが退出されたのを機に、天井を壊して排水管を取替えます。当時は鋳鉄管・鉛管を使用しているケースが多く、管内の錆びや残留物等による詰り、接続部を中心とした管の腐食による漏水など、トラブルが多発しているためです。
通常、上階の排水を流す管は、下階の天井裏に配管されています。つまり、2階天井裏にあるのは3階の排水が流れてくる管です。
2階が空室なので自由に配管取替えができそうな気がしてしまいますが、実は上記の通り3階の排水が流れてくるので、3階におられる方との打合せ、ご協力が重要なポイントとなります。当然、配管の入れ替え作業中は、台所やトイレの水を流すこともできませんので、以下にその不便な時間を短縮し、ご迷惑の少ないようにできるかが勝負。
そのためには、先ず実際の工事に入る前の調査が重要。はじめの段階で、どこをどの順番で切り替えていくか、入念に計画しておかなければなりません。何度も現場を確認して、現況の配管と将来の配管のスケッチを取ります。そして見えるところ、隠れているところ、全ての理屈が通るように熟考します。
その計画をもとに、現場監督・職人が連携し、3階ご入居者のご協力をいただきながら、円滑な工事を進めることになります。
実際にやってみれば絵に描いた通りに行かないことも有りますが、そこは臨機応変。そこは現場経験や知識がものを言うところです。
先ずは第一段階、切り替え完了。
はずした管の中を見れば・・・
『やって良かった。完全に詰まっても、天井に漏れ出しても不思議ではない状態だった。』(設備工・談)
新たな配管の中は見えませんが、なんだか気持ちがスッと通りますね(笑)。