ビル・建物について

『滑らない話』

地元のマンションの玄関アプローチ、床タイルの貼り替えをご依頼いただきました。
今回はホールの自動ドアを境に、外側だけを貼り替えます。
もう同じタイルが存在しないので、タイル選びから始まります。
まず注意しなければならないのが大きさ。
既存のタイルは150ミリ×150ミリの大きさで、
一般的に150角(カク)と呼んでいます。
でも同じ呼び方をしながら、2種類の大きさがあります。
タイル自体の大きさで150角の場合と、タイル目地を含めて150角。
つまり後者は150角と言いながら、実際は140ミリ×140ミリだったりします。
今回は自動ドアの内側を貼り替えない為、
大きさが違うと、内外でタイルの目地がズレてしまいます。
そこをどれだけの方が気に留めるかわかりませんが、一般的にはNGと思います。
そして今回の大きなポイントは『滑らない』こと。
2階店舗へのアプローチと、道路際のところがスロープになっていて、
雨の日は大変滑って危険とのこと。
そこでスロープ用タイルを3種類とって検討しています。
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カタログの写真だけではわからないことがあります。
一番左はブロック状に凸面になっていますが、その表面がツルッとしています。
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真ん中もブロック状に凸面ですが、その表面には細かい凸凹があります。
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一番右は他の二つと違い、ブロック状ではなく小さな凸面が全体に施されています。
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『滑らない』を重視することで、一番左は選択肢から除外。
あとの二つはどちらを選んでも問題なさそうですが、
「一番右のは汚れが付着しやすく、掃除がしにくいかな…」などと、
別のことを考え始めてしまいました。
「いやいやそうじゃない。一番の課題は『滑る』だった…」
と思い直し、触ってみたり踏んでみたり。
こんな時大事なのは女性の声。
私たちには見えないこと、感じないことを教えてくれます。
「ブロック状の方は、ヒールだと危ないかも。
特に凹面は、ヒールが滑ったら、そのままズルッといきそう…」
なるほどなるほど。
一度ハイヒールを履いて町中を歩いてみれば、
いろいろ発見がありそうですが…怪しいですな。(笑)
そんなこんなで、タイル選びも楽しみながらやっております。ハイ。