このところ外装工事が続いているのだけれど、
建物の維持・美観向上の工事をする上で、必ずと言っていいほど困ることがある。
それはむやみに塗られたシリコンシーリング。
シリコン自体は悪者ではないし、止水能力も高い材料なのだけど、
外装工事においては、シリコンよりも適した材料がある。
それを知っていながらシリコンを使う職人は悪者だけれど、
たいていは知識・勉強不足によって、悪気なく惜しみなく使用されている。
とくに設備関連の業者さんが多用する。
空調冷媒管、排気フード、給排水管 、電気配管や照明器具、電話、有線TVなどなど、
外壁を貫通する部分や取付部周囲に、シリコンを使われている。
シーリング材を購入する時、最低でも3種類は選択肢があるのだけど、
販売側にも知識と情報がないため、
「とりあえずシリコン買えばまちがいないだろ・・・」
「うまくできなくても目立たない透明にしよう・・・」
程度のことで事は起きるのだと思う。
先週の末に、設備管材や機器類に関する展示会があり、得意先のご縁で見学してきた。
100名ほどの団体で行ったのだけど、その中で設備業者じゃないのは私を含めて5名程度。
私一人だけ、みんなと違う観点で見学していた。(笑)
誰もが素通りしていた「住宅瑕疵担保保証」の説明ボード、
「管工機材関係者も換気口と、建物内を貫通する雨水排水管には注意が・・・」
・・・こういうとこもっと明確にPRすべきだなあ。
しばらく歩くと、またまた誰も見向きもしないコーナーで、
雨水侵入防止10年瑕疵担保保証品、として木造外壁に配管を貫通した場合の防水材料。
・・・このコーナー、さっきの瑕疵担保のところで一緒にすれば効果があるのに。
ソーラーパネルのコーナーでは、取付部の施工方法だけを注視。
・・・これじゃあ2~3年後は関連の雨漏りがメチャクチャふえるなあ。
そこにいた営業マンに、雨仕舞の問題など問うも「大丈夫です!!」としか。
要するに大切な屋根の仕組みも知らずに売っている。
設備業者さんに向けて啓蒙活動が必要と感じた。
まず、地元の設備管材の販売店に、「シーリング材・適材適所」の掲示でもしてみようか。
そんな地道なことが、いずれお客様の建物を守ることに繋がる。