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光が見えてきました。

今日は午前中に、新築案件の計画打ち合わせを終え、
午後は役所へ。
ホームエレベーター設置について。
今回が3回目の訪問になる。
木造二階建て住宅で、お体の不自由な方がおられて、
どうしてもエレベーターが必要な時期に至った。
当社の建築物件ではないが、図面もしっかりしていて、
造りもどう見てもキッチリしているし、既存に違反もない。
幸いにも建蔽率・容積率他、現地の法令も遵守できる状況で、
きっちり増築確認申請もする予定で、問題なし。
こちらはいわゆる「意匠」「設備」のこと。
問題ありは「構造」。
まず、以下の書類が揃っていないと話が進まない。
建物の確認申請書と完成検査済証。
要は法律に従った計画であって、そのとおり完成したことを証明するもの。
今回は確認申請書・中間検査済証はあったのだが、完成検査済証が見当たらない。
計画の通りに竣工しているので、取得することはできたはずだが、
なぜか見当たらず、お客様も全くその点はわからない。
建築した業者はすでに存在せず、問い合わせもできない状況。
たった紙切れ一枚だが、これがネックになる。
この紙切れ一枚がないための要求は、ほぼ不可能と思われる大規模な事。
外壁・内壁・天井・床などあらゆる箇所を剥がし、
全てのアンカーボルト・ホールダンなどの金物や、
柱・梁・筋かいなど軸組材の寸法・配置、
更に基礎コンクリートは一部壊して内部の配筋も確認し、
それらに基づく構造計算をして安全を証明せよ・・・無茶な話。
こういう案件はほとんどこの段階で断念されることになってしまう。
ましてや今回の計画は法を順守しての増築で、
エレベーターシャフトと建物本体とは、エキスパンションジョイントで
縁を切るのだが、それでも既存建物を証明しなければならない。
なんとも理不尽で無茶な話とは思うが、
役所の杓子定規と批判するつもりは全くない。
現在の法律の中では、ここは一貫するしかない点だからだ。
たまたまこちらの案件は、築年数も浅く設計も工事もしっかりしている。
だが、訪れる案件は多種多様で、それぞれに情状酌量していたのでは、
まったく法律が機能しないも同然。
ただ、それはわかるがお客様は本当に困っておられ、必要に迫られている。
こちらも前回の訪問で、何とかならないものかと必死に食い下がる。
すると「しっかりとした記録写真があれば・・・」との情報。
正直言って難しいことだと思った。
工事中の記録写真は、代表的な部分を撮影し、全体を網羅しているわけではないはず。
今朝、一応お客様に問い合わせ、結果に驚いた。
なんとお客様自身が、自分の記録としてありとあらゆる部分を大量に撮影し、
更に図面に撮影箇所を記した資料とともに、しっかりとファイルに整理されていた。
早速拝借し、役所に駆け込むと、役所の方も目を丸くして
「これならば、建物を壊して確認するより明らか・・・」
こんなケースは初めてだし、普通はあり得ないとのこと。
私も同感。
いかに記録に残すことが大切であるか、を知る。
このたびは、S様自身の力で土俵に上がることができました。
本当に素晴らしいことだと思います。
大変勉強になりました。ありがとうございます。
ここから先は、私が責任持ってしっかりと取組します。
実現へ。