地域密着

建築という仕事。

現在地元では二件の外装工事と、RCビル内の住宅リフォーム工事を
施工させていただいています。
住宅リフォーム工事は、まず4階の住宅を仕上げて6階からお引越し。
現在そこまでは終えて、6階の工事に着手したばかり。
オーナー様はスタイリストの仕事をされており、驚くほどの衣類の量がありました。
さてどうしよう…といったところでしたが、当社の監督といつもの大工で荷造りし、
資材倉庫の収納庫へお預かりしてから工事スタート。
トラック1台満載でしたので、倉庫を役立てることができて良かったです。
現場を見に行くと、天井を解体して断熱材吹き付けの準備をしているところでした。
今回のリフォーム工事の最優先のご希望が「断熱」でした。
築29年、RC6階建ての最上階。一応発泡スチロールが入ってはいましたが、
夏はどうにもならないほど暑いとのこと。
そこで思い切って、天井をすべて落としての断熱工事に至りました。
天井の中で29年間、静かに魔除けとして働いていたものが出てきました。
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棟上げのときに掲げる「幣串」です。
私は「へいごし」と教わりましたが、「へいぐし・へごし」などとも言うようです。
当時は宴席でも設けて派手に上棟式をされたかもしれません。
木造でしたら建物の棟に掲げますが、RCですので足場にでも掲げたかと思います。
勝手ながらそんな情景を想像してしまいました。
そのあと天井の中に納められて、今29年の時を経て久し振りに日の目を。
私が新築に携わった建物も、いずれ何十年かの時を経て後世の人が工事を
するかもしれません。
その時に「良い仕事・きれいな仕事をしているなあ」と言われたいですね。
もちろん永遠ではないけれど、私がこの世を去っても残る仕事だと思うと、
たとえリフォームや小さな修理工事でも気合いが入ります。
幣串は新たな天井の中に、大工さんの手で納めてもらいます。
さすがにこの幣串にはもうお目にかかることはないかな。(笑)