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真の教育者

今日は長男が先々週卒業式を済ませた高校へ向かう。
もう訪れることもないだろうと思っていたが、
過日同期の野球部M父母会長から連絡があり、
「O部長先生が退職されることになったので送別会を…」
ということになり本日に至った。
O部長先生は着任されてまだ2年、定年までも5年残されているが、
残念ながらご家庭の事情により退職されることになった。
この2年間野球部のすべての子供たちに、
温かい言葉と熱い心で接してくださっていた。
私の長男もアパート住まいであったことが幸いして、
個人的にも銭湯や食事などにもよく連れて行って下さり、
部活動においてもどれだけ力になってくれたか計り知れない。
「送別会は子供たちを中心に…」
M父母会長からの発案に、正直なところはじめは戸惑った。
「我々の代はもう卒業式も終えているし、
 O部長先生だってそこまでされてもかえって迷惑になるのでは。」
私の想像はまったくはずれた。
M父母会長の呼びかけに、
卒業した部員まで含めて子供が60人、父母が70人集まった。
これもみなO部長先生の人柄の成すところである。
卒業を済ませた代の父母会が仕切るのも、いかがなものか…と思いつつ
M父母会長のお勧めで、ありがたいことに私が司会をすることになった。(笑)
会の中心は子供からの贈る言葉。
M父母会長からの提案で、子供たち一人一人からのメッセージ。
これも正直なところどんな事になるのか不安があった。
また、事前にそのことは子供たちに通じている予定だったのだが、
なんと知らなかったとのこと。
強行したのだが、不安はまた大きくはずれた。
子供たちがは自分の言葉でO部長先生への思いを伝えた。
しかも全員がぶっつけ本番にもかかわらず、想定外に長く熱く。
O部長先生が子供たちにどれだけ真剣に接してくださっていたことか。
その「鏡」がこの子供たちの姿なのだ。
これぞ真の教育者なのだと思う。
M父母会長が用意した、父母会からの記念品がとても素敵だった。
「ベンチに入れない子供たちを、いつも見つめて声を掛けてくれていました。
 感謝をこめてこの絵を贈らせていただきます。」
その絵は櫻井幸雄氏作の「出番のないベンチ」であった。
抜けるような青空のもと、
ベンチの上に並んで腰かける数名の野球少年。
楽しそうに語り合っている背中には二桁の番号。
まさにピッタリの絵。
O部長先生は、本当に素敵な真の教育者・指導者でした。
この大事な高校生活、野球部の活動において
子供たちが先生と出会えたことに、心より感謝しております。
本当にありがとうございました。