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両輪の変化

6月の建築基準法改正で、新築工事の着工が激減している。

周囲の声を聞くと設計者も施工者もみな困っているようだが、

当社はこのところ新築工事が遠のいている期間が続き

幸か不幸かそれによっては困っていないのが問題だ。(笑)

 

先日入札参加のご依頼をいただいた物件は、

木造3階建ての専用住宅であったが、法改正後すぐに申請して

11月中旬に許可が下りるかどうかといった状況とのこと。

その物件は建主の家庭の事情で、何としても2月の末には完成という条件で

設計がスタートし、普通だったらまず問題ない状況で終えられたのだと思う。

だが、現状では正月休みも入るので工事期間が実動3カ月を切る。

確認申請に問題があるとしても、入札の企画自体もギリギリの日程過ぎるし、

当社の機動力、職方の手の状況など様々熟慮して入札参加はお断りした。

 

それでも他の三社は競争するとのことだから、当社の努力不足かもしれない。

もちろん新築工事はやりたいし、売上だって欲しい。

だが「正直」に頭の中を整理すれば、おのずと答えは出てくるし

そこを自分で裏切ってしまえば必ず自分に返ってくる。

正しい選択をしたと思う。

 

今、当社は改修工事や小さな修理工事が激増している。

とりわけ地元で多数のご注文をいただいていることが嬉しい。

人間くさくて泥臭い仕事が多く(分かりづらい表現かもしれないが・・・笑)

やりがいがある。

もちろん新築工事で学ぶことは大きいし、その体験があるからこそ

改修工事への技術的な対応も、お客様への応対も適切にできる。

 

新築も改修も当社創業以来の両輪であることは間違いない。

だが、その駆動輪のバランス変化を、時代とともに感じている。

創業者ははじめから新築などなく、コツコツと小さなことから積み重ねたであろう。

私は入社した時から、会社があって新築工事があった。バブルも含めて。

歴史は繰り返される・・・か。