近所の得意先で、トイレに手摺を取り付けてほしいとのご依頼。
いつもごひいきに預かっている企業の会長さんが、
だいぶ足腰が弱り、便器から立ち上がるのがおっくうになってしまった。
トイレの手摺取付で注意が必要なのは下地。
表面の仕上げ材からその下の躯体まで理解した上で
取付方法や材料を選択する必要がある。
今回はRC建物なので、表面の石膏ボードを越えて、
躯体のコンクリートに達する金物で固定しなければ、安全とは言えない。
たかが手摺でも、そこはしっかり考えなければならない。
今回は更に頭を使う内容。
トイレの配置が建物の角にあるために、
便器の左手の壁が45度に開いた形である。
いつものように壁に直接手摺をつけただけでは届かない。
力のかかる方向や使用する方の動きを考えて、写真のように出来上がった。
できたところだけ見れば「なんてことない」かもしれないが、
金物の選択、取付の位置、固定の方法など試行錯誤を繰り返した。
しっかり図面も書いたが、最終的に現場で変更もした。
たかがトイレの手摺だって真剣なのだ・・・。