台風一過の暑い太陽がもたらせた事故である。
お昼近くに消防車が数台走る音が聞こえ、気に掛かり外に出てみると
近所の老夫婦の住宅の前に停まっていた。
2階建住宅の「バルコニーの洗濯物が燃えている」と通行人がおしえてくれて
大事に至る前に奥さんが水をかけて鎮火できたが、一応消防に通報したとのこと。
御主人も「あんなところに火をつけられる訳ないのだけど・・・」と困惑の様子。
パッと見て原因と思うことがあったのでお話した。
東南に面した日当たりの良い、バルコニー手摺のステンレス笠木。
巾20センチ程のステンレス笠木は、既製品ではなく板金屋さんが作ったもので
割とピカピカと反射をする材質に見受けられる。
「笠木に雨水が溜まることはないですか?」と問えば、あるとの答え。
つまり凹状になっていて水が溜まることで、そこに集中して太陽光があたり
虫めがねの実験と同様に、洗濯物に火をつけたという考えである。
もちろん干された洗濯物の素材や干した角度、季節による太陽の位置関係など
様々な条件がたまたま揃ってこのような事態になったので、いつでもなるわけではない。
私なりの「憶測」であることを付け加え、ご主人に話して失礼したが、
そのあとお会いしたら消防署の見解も「太陽しか考えられない」とのことだったようだ。
建ててから25年以上は経過するなか初めてのことなので、かなり低い確率ではあるが、
あの建物においては、毎年この時期この時間に同じことが起こる可能性がある。
解決策は簡単。
今のステンレス笠木の上に反射をしないカラーの笠木をかぶせるだけ。
25年に一度の危険性を回避するならば、それが一番手っ取り早いだろう。