このところメールでの雨漏り相談に答える機会が多くなっている。
基本的には実際に現場を見なければ、雨漏りの診断は難しい。
預かった文章や写真から、何とか原因を究明しようとすると
現場で見る以上に、頭の中で細かく理論立て、
想像力をフルに発揮することが必要となってくる。
もっともこの理論や想像力は、数々の現場を見てきたからこそ
頭の中の引き出しから現われてくるものである。
この頃感じるのは、実際に現場を見るよりも
文章や写真の情報でじっくり考えることの方が、
ある種冷静に判断できることもあるということ。
現場を見てしまうと、今までの経験や勘が(正否は別として)
頭の引き出しをあける前から飛び出してきて、
目から入った情報と一瞬に合致して「ここだ!」と決めつけてしまう。
どんな小さな可能性も見逃さないこと、固定観念で決めつけないこと。
そう念頭において臨むのだが、目から入った情報があまりにも大きいと
思考回路がピタッと止まってしまう気がする。
そんな時は、メールの相談に答えている時のように
頭の中で文章や写真として整理し、順番に整合性をとっていく。
つまり「雨漏り診断」は現場を知っているだけでもダメ。
机で本から学んだり、文章と写真を解読できるだけでもダメ。
どちらも両輪としてバランスよく回転させなければならない。
そして車と同じに、両輪の回転が知識・経験として充電される。
だから学び続け、動き続けることが大切なんだと思う。
この梅雨、両輪フル回転かも。