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終わらぬ現場はない

若き監督K君の現場は木造3階建て。

基礎工事が終わり、いよいよ来週は建て方・上棟となる。

昔は当然すべて手作業で行っていたことだが、

昨今はだいたいレッカー車を使った作業となる。

作業効率や安全面から考えて当然のことと言えよう。

今回もそのつもりではあったが、敷地や道路の状況から見て、

身勝手ながら隣家の駐車場を、利用させていただくほかないとみていたが、

申し入れに色よいご返事を頂くことができなかった。

何分身勝手なコチラ都合のお願いなので断られて元々。

 

では人力。

私も含めて社員総出で(わずか4名だが・・・笑)2日間協力することになった。

職方も含めて10名を超えることになろう。

こりゃやっぱりレッカー車のほうが安い。(笑)

 

昔は今よりもずっと、みんなが協力し合っていた。

監督として正しいことかは置いといて、

あの現場でコンクリート打ちといえば、長靴をもって駆けつけ、

足場カケといえば材料運搬から組立てまで、みんなでやっていた時代もあった。

ここまで仕事が分業化・専門化してくれば、そんな事も減ってきてしかりだが、

あの頃は、なんでも協力してやってのけちゃう力があった。

そして、それはまったく苦ではなく楽しかったのだ。

 

みんなの協力話が進むにつれて、K君の不安顔が明るくなってきた。

経験浅い彼にとっては「どうすれば・・・」と相当悩んだに違いない。

 

ベテランのI氏が言った。

「心配するな。今まで終わらない現場はないから。」

その通り。

もっともっと厳しい条件や、とんでもない状況の現場も

真剣に諦めずに取組んで完成してきた。

経験30年のI氏と、20年の私が体験談を話しだすと

笑ったりゾッとしたりで、若き監督たちは目を丸くする。

 

このことも3ヵ月後には飲みながら、みんなで笑って話していることだろう。