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誰のためになるのか

午前中、木造2階建て住宅の外壁雨漏り調査。
築30年以上の建物で、旧外壁をほぼ全撤去して
モルタル壁を再構築している。
雨漏り修理のご依頼者はよくよく聞くと
この大規模リフォームをした会社。
1年半ほど前に工事をし、
漏れ出したのはここ2ヶ月ほど前から。
ご依頼者の話から、
何度も調査してもわからず、
自分たちの工事の責任範疇ならば補償したいので
第三者に依頼をした…とのこと。
ここのところ大事。
この依頼者が「責任範疇ならば修理したい」という
目的ならば協力してもよい。(協力したい、とまでは言えないが)
だが、裏を返せば
「自分たちの責任じゃない」ことを証明したいという
考え方ならば、どうぞご自分でということだ。
良く整理して冷静に見ないと本質を見失う。
新築工事ならば話は別だ。
仮に築3年で雨漏りしたとする。
今は新築建物の瑕疵10年保証の義務がある。
ちょっとそれるが
これは10年間何でも直しますという制度ではない。
簡単に言うと10年間のうちに
主要な構造部や雨の浸入を抑制する部分について
「瑕疵」が見つかった場合、補修・賠償などの義務がある。
その「瑕疵」とは、
契約で定めた内容通りでなかった場合や
通常有すべき品質・性能を欠いていること、
すなわち、ハジメからの欠陥を指す。
で、話をもどして
築3年で雨漏りが発生して
ほとほと困った建築業者や売買業者が
ほかに助けを乞うたとする。
そして根本的な原因や欠陥の有無もわからずとも
表面的なシーリングでいつまでもつかもわからぬが
とりあえず雨が止まる。
建築業者や売買業者は
「10年保証の義務を果たしました。当然ですよ。」
施主は
「ちゃんとしてくれる業者だ。ありがとう。」
めでたしめでたし…なのだろうか。
そこにはまだ隠れたる瑕疵、即ち欠陥が
潜んでいるのかもしれない。
今回の応急処置がいつまで役に立つのかもわからない。
キチッと整理して考えると
施主のためになっていないことは明白。
それを上辺だけ修理して金銭を得るのは
こちらの本意ではない。
誰の為なのか、正義はどこにあるのか。
そこを見ずして手を出すのは
よい仕事をする以前の問題だ。