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雨漏りの教え

午前中は杉並に雨漏りの調査。
同じ形の3階建て木造住宅が2棟並んでいて
同じ場所から雨漏りしている。
築10年程度とのことだが
竣工入居当初から漏っているらしい。
疑わしきはバルコニーの掃き出しサッシ周りと
床防水立ち上がりと壁との取り合い。
それに壁と板金笠木との取り合い。
すべて建築時に配慮を施していれば
問題にならないところである。
今までなんどか止水を試みた跡がある。
だがそれは上辺にシーリングを施す程度の処置で
ほとんど役に立っていないと想定される。
木造の建物は外壁仕上げが完璧な防水にはならない。
仕上げにもよるが外壁の裏側に、雨水が浸入することもある。
それを想定の上で二次的な役割として
浸入した雨水を速やかに排出するしくみを施している。
従ってそのしくみが成り立っていないと雨漏りになる。
だから上辺のシーリングは役に立たないと想定した。
もちろん「この建物に関しては」だ。
「雨漏りの調査には建築全般への幅広い見識が必要」
常々そう思うし、だからこそ建てる段階で
建築屋なり工務店がしっかり配慮すれば
雨漏りの確立はぐっと低くなる。
午後は8階建てRCマンションの4階部分雨漏り。
開口部付近とバルコニー付近の2ヶ所から。
天井のボードが落ちてしまっている。
2年前からで、施工者・建物管理者に言い続けても
一向になおしてくれないとのこと。
原因究明までは出来ているが
保険が降りるとか、
ここからは管理組合の範囲だとか、
そういうことで延ばし延ばしにされているようだ。
まったくもってお粗末な話。
今目の前に雨漏りで困っている人がいて
原因がわかっているなら
なおしてからの話ではないかと思う。
せっかく相談いただいたが
そういうしがらみまでは
修理できない。
建築屋の責任を果たす為にも
あらゆる雨漏りに触れていきたい。
雨をしのぐという建物の原点が教えてくれる。
「基本にかえれ、真面目にやれ」と。