買うものではなく造るもの。

午前中は設計担当の者と
Ｕ邸新築工事現場予定地の寸法確認。
いただいた資料とほぼ合致。
だいぶ昔になるが、資料を鵜呑みにして設計完了し
現場が大幅に寸足らずで大変な思いをしたことがある。
要注意だ。
午後はＵ様ご夫妻をまじえて、基本設計打ち合わせ。
まずは夢と希望をヒアリングし、
大事な現実である予算とのバランスを考慮しながら
優先順位をつけてプランニングを進める第一歩である。
幸いご夫妻ともポイントを絞ってくださっているので
こうしたい・ああしたいが明確に伝わってくる。
ここからはこちらがプロフェッショナルとして
ご満足いただけるよう努力するだけ。
当社は「奇抜」や「デザイン重視」ではない計画をする。
雨漏りがしない・汚れづらい・傷みにくい家造り。
雨仕舞いの原理原則を踏まえて、
建物の将来を意識しながら描く。
もちろん「デザイン無視」でもない。
機能を重視した結果が生むシンプルな美を追求する。
「私の家だったらこうする。」
建てる側ではあるがそういう観点でお話しする。
Ｕ様のご希望リストに
「メンテナンスフリーの家」が入っていた。
もちろん、完璧なメンテナンスフリーはできない。
Ｕ様もそれは理解のうえでのご希望。
よーくわかる。当方が目指す物とズレていない。
Ｕ様との打ち合わせの中、
ご自身で内壁を塗る構想なども生まれた。
工事側の手間予算を圧縮する意味もあるが
ともに家造りに加わっていただこうと提案。
もちろん実現するかは不明だが
ご本人はやる気十分と感じた･･･。
なにしろ高級外車の何倍もするお金がかかるのだ。
家は買うものではなく造るもの。
Ｕ様が実際に手を加えるか否かは関係なく
自らが精魂込めて創り上げた家という達成感が必要だ。
私たち技術者は、魂込めて仕事をする。
同時に建主の魂も建物に伝える役目がある。