ビル管理は楽じゃない。

午後、近所のビルオーナーと打ち合わせ。
チャキチャキの粋なお母さんと娘さんで、
いつも何かと頼ってくださっている。
数年前に亡くなったお父さんが
築き上げたビルを３棟管理されている。
それぞれ築30年前後経年している為
いろいろと不具合や改善点が発生する。
今日は防犯面の対策が中心の話。
一件はエントランスホールに
テレビや粗大ゴミを放置されることが多々あり
カメラ設置やエントランス改造を検討している。
もう一軒は屋外避難階段に不審者が侵入する
ということで、防護柵や門などの設置を検討。
どちらも多額の費用がかかる。
つい先日も高架水槽のＦＲＰが劣化し、一式取り替えたし
ご自身のお住まい部分のリフォームもしたばかり。
そしてエレベーターの内臓物を全て入替える工事も控えている。
外壁の痛みも気にかかるし、
貸している店舗ではいい加減な工事をされかけて
目を光らせていないといけないし･････
いろいろなお話を聴くことができたが
本当に「ビルオーナーって楽じゃない」と思う。
このオーナーのようにご主人失った今も
母娘でしっかりと管理されているのは凄いこと。
間に入っている不動産屋さんも
あまり力にはなってくれないようだし
借主はつわものばかり。
大変なご苦労とお察しする。
だから少なくとも工事に関わる部分だけは
信頼を頂いている私が、
建築のプロとして気苦労を減らすことが出来るように
どんな小さなことでもお役に立ちたいと思う。
以前、こんな事があった。
当社建築の物件で、
ビルオーナーのご主人が亡くなって
奥様だけで管理をしていたが、
ある時すべてを信頼して任せる方ができたという。
いわゆるコンサルタントと称して
工事も含めて建物全ての管理をする方だ。
先日その方から電話があり
建物の配線などについての問合せがあった。
奥様を横に電話してきているのだが
その話し振りが
「お前のところがいい加減な工事だから」
みたいな感じでとても前向きな会話ができない。
それ以来奥様からのご依頼も何もなくなった。
善意の方であって欲しいと願うしかない。