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解き外し

今月末に鮨店の内装工事にかかる。
そこで使いたいという材料を倉庫から運搬。
以前施主の案内で群馬から運搬し
当社倉庫に保管していた。
古い民家から外し、取っておいたという
今では見られない一枚板の建具や甲板、
4人でやっと運べるような大黒柱など。
うまく使わないと生きてこない。
大工さんのセンスと腕にかかっている。
以前ご縁あって
有名な作家の先生が亡くなった後に
その方の愛した部屋をそのまま
別の地下室に復元して残すという仕事に
めぐり合ったことを思い出した。
室内の造作はもとより
周囲に散乱する書物や調度品、
机の上の万年筆一本に至るまで
触らないで記録に残した。
建具、造作材にも一つ一つ
番付をしてからの解き外しだ。
以前テレビ番組で
仏閣の復元工事を進めるなか
「これは解体ではない
    解き外しと呼ぼう・・・」
と言ったことに感銘し
使わせてもらっている。
素敵な言葉だ。
解体すると廃材になるが
解き外すともう一度材料となって生きる。
復元する場所が元の寸法と違い
少し狭かったので
お客様の意向を聴きながら
風合いを失わぬようアレンジした。
大工さんのお陰でご満足頂いた。
残念なのは記録写真を残さなかったこと・・・。
でも、心の中に焼きついて忘れることはない。


先日もテレビで「re市場」というタイトルで色々な再利用が取り上げられていました。
「あーる・いー・しじょう」という事で盛り上がるとそこには文化が生まれると思います。
良い物を再生して代々受け継いで行く事の大切さが分かってきたのは最近の気がします。
子供の時からの教育も必要ですね。
ps.お鮨やさん完成したら日記の中で場所・店名をかいて下さいね。(勿論一人当たりの大体の予算も教えて下さい)