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原点

午前中はデスクワーク。
改修工事など数件の見積りまとめ。
午後一番で木造アパートの改修現場調査。
四畳半一部屋の床を畳からフローリング
CFシートなどの洋室床にする工事。
それと収納棚の造作。
オーナーの奥様が立ち会って下さり寸法採り。
とても正直で穏やかな方だ。
「では、後ほど見積書としてお届けします」
「だいたいどのくらいかかりそうですか?」
「材料の価格など正確に調べたいので
 ちょっとお待ちいただければと」
奥様とても心配そうにおどおどと
「・・・でもだいたい・・・○円くらいの中でできますか?」
とてもそんな金額にはならない工事。
おそらくその7掛けくらいだろう。
「絶対にそんなにかかりませんよ。
 正直にお出ししますからご安心ください。」
奥様安堵の表情。
これがいわゆる悪徳リフォーム業者だったら・・・
「(○円!)・・・うーん、本来なら△円かかるところですが
 今回は特別にそのご予算で納めるように致しますよ!」
となるのだろうか。
以前実際に屋根の修理で騙されてしまったようだし。
その後得意先の社長様を訪問。
とても大きな食品会社で
ご挨拶にと思ってもなかなか社長様に
会うことが出来ずやっとお時間を頂いた。
話題はまずリスクのこと。
多岐にわたる食品を扱っておられるが
特に海外からの原料輸入が多い。
一企業が輸入となるとその検疫にかかる
時間と費用はとても大きな負担。
建設業には事故に対する保険が各種ある。
食品の事故に関してはそれがないそうだ。
膨大な被害に広がる可能性があるので
保険やさんが手を出す気がないとのこと。
そこで、この社長様の素晴らしいところ。
自社の売りとして、
専用の検査センターをつくってしまった。
ドクターなど多くのプロフェッショナルが常駐し、
全ての食材に間違いがないことを確認している。
お忙しい中、そのほか1時間も沢山のお話を頂いた。
新規事業展開の話もあり、うれしい限り。
あとは割愛するが
「しっかりと地に足をつけて
真面目に仕事をすれば生きていける。」
原点だ。
私なりのまとめとしてはそういう内容であった。
帰り道、清々しい思いで車を走らせる。
途中設計事務所から電話が入り入札結果の通知。
RC造の個人住宅で、金額も大きい。
減額案などでだいぶ長くお付き合いしたが
他社へご依頼されるとのこと。
残念だがこれもご縁だ。
後悔はないが、一部反省点あり。
この次に生かせば良いこと。即切り替え。
夕方、今日最後の訪問約束。
会社の近所の得意先で
ご高齢のおばあちゃんのところ。
和室の一角に手摺を1本つけて欲しいとのこと。
長さや位置の打合せ。
おばあちゃんの持つ杖の高さで決定。
待っててね、すぐ付けるよう段取りするから。
おばあちゃんの笑顔がうれしい。
我々の仕事の原点だ。