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明暗

当社は協力業者が皆素晴らしいのが
最大の売りであり自慢である。
業者の方々も、当社の気概に感じるものあって
心通った仕事をしてくださっている。
が、時折歯車が狂う時もある。
ある業者の職人さんが現場で小言ばかり。
何が面白くないのか常時マイナスのことしか
言わない。
そんなに嫌なら帰ったら…と言いたいくらいだ。
と、感じながら別件でその会社の社長に連絡とると
これまた、言葉の端々にトゲありカドたてる。
社内事情がうまくいってないのか
当社のことが気に入らないのか。
近々にキッチリしないと
お互いのために良くない。
そんなことを考え
若干「暗」な顔で運転していると
いつも頼む警備会社から電話が入った。
私が他の会社に修行に出ていた時
出会った警備員がとても素晴らしい男で
ずっと使わせてもらっている会社だ。
他の営業が値段を武器に来ても
「うちは金じゃなくて人で頼んでる」
といって、20年近くほかに目を向けたこともない。
彼は案の定出世して、
今は内勤で管理職になっているが
時折現場のことを案じて連絡をくれる。
過去数回、ウソのような話だが
「単価を○円下げさせていただきます!」と
元気な声で値下げ宣言をもらったことがある。
今日の電話は目黒の新築現場について。
ここは本当に予算の厳しい現場で
少しでも値引きをしてもらいたいところだった。
(そんなことまだ話していなかったが。)
長く狭い道路への車両出入には2~3人の
誘導員を必要とする。
「あの現場見に行ってきました。
 何をやるにも作業ごとに
 たくさん誘導員を必要とする、
 大変な現場ですね。
 私、そのことを社長に話しました。
 この現場はいつもの千円引きで
 やらせていただきます!」
久々にジーンときたのだ。
それから私の顔は「明」いっぱい。
ありがとう。本当にありがとうと言い続けた。