カテゴリ未分類

ゴミか宝か

昨日、渋谷の増築工事の、木工事現場打合せ。
施主と大工さんと、当社の会長。材料の使い方で盛り上がる。
会長は材料としての「木」が大好きだ。
創業から50年になり、非木造(鉄骨造や鉄筋コンクリート造)
の仕事の方が主流だが、その中でも住まい部分の「木」に
ついては良い意味でうるさい。
先日、鮨屋さん店舗解体をした。
鉄筋コンクリートで建物を新築し再開する。
施主と会長との話で、今まで仕事をしてこられた店に感謝し、
壁や天井から材料を大事に外して新店舗に納めることに。
外した材料は当社の資材倉庫に運び、
そこで会長が、自らの手で釘を抜き製材。
「生き返ったようだぞ」と満面の笑顔。
本当に悔しいが、こういった面は全く敵わない。
私しかいなければゴミになっていたであろう。
そんなことがあった後に、新宿の茶道具屋さんから
いらなくなった陳列棚を壊して捨ててほしいとの連絡。
行ってみると、古いが見るからにしっかり造られている。
ガラスを外して、木部を解放すと桧の香りだ。
捨てるのもったいない・・・と一応トラックには丁寧に積む。
翌朝、もうトラックから降ろされ塀に立てかけてあった。
「45×30 ○○に使用」などの会長の字が。
そう、既にゴミではなく材料の道へ入っている。
見習うべき心がけ。
以前、こんなことがあったのを思い出した。
取引の材木屋さんに10cm角程度の材料をもらいたくて
電話した。(欲出してタダで)
「ゴミでもいいから、こんなやつ分けてくれない?」
いつも穏やかな材木屋さんの声が違った。
「うちには客に出すゴミはない!みんな大事な材木だよ!」
顔が赤くなるほど恥ずかしかった。