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建物の肝

建物を建てるにあたって、
予算の調整が必要な場合がある。
そんな時でも絶対に落としてはいけないと
思うことが二つある。
一つは「防水」だ。
1滴でも漏れば0点。漏らねば100点。
漏れば0点だが、その修理に入る時は
マイナス点からのスタートになり、
修理が終わって止めることが出来ても
お客様にとって、そこは100点にはならない。
雨をしのげない建物は造ってはいけない。
もう一つは「断熱」だ。
実は今日の午前中、当社で建てさせていただいた
建物の断熱に問題があり、その処理にあたった。
(正直申し上げて解決したとは言えない)
これは予算の都合ではなく、設計図書の通りの
施工をしたのだが、結果として機能果たせず
「夏暑く、冬寒く、光熱費がたまらない!」とのこと。
他の工事に満足していても、この一点(雨漏りも同様)
で、全てが駄目になる。悪いところしか見えなくなる。
でも、あとから満足できる「断熱」を施すのは難しい。
どこまで腹をくくって取り掛かるか。
お客様は
「全てを任せたのにこんなに暑いなんて、素人には・・・」
しかり。
自分でまいたタネがどんどん育って
しまわぬうちに刈り取る覚悟で臨む。
内装の仕上げなどは、健康上害のあるもの
を使わなければ基本的に生活に支障はないし、
気に入らなければ割と手直しにもかかりやすい。
間取りや空間の寸法なども基本を押さえてさえいれば
よほどのことがない限り、大きな問題は起こらない。
もちろん全てに細心の注意・気配りは必要だが。
色がどうだの、寸法がこうだのよりも
プロとして「建物の肝」をしっかりと
押さえなければならないと心に刻んだ。