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命の重さ

今日8月10日は、私にとって生涯忘れることのない日。
3年前のこの日もじりじりと太陽の照る暑い日だった。
現場はお盆休み前に一区切りというところで
暑いさなか鉄骨を建てる作業をしていた。
倉庫新築で高さは約12メートル。
そこで作業をしている職人を見ながら、
鉄骨業者の人と談笑していた。
安全対策を怠っていた。なめていた。
目の前をスローモーションのように転落した。
みんなが駆け寄り、輪となって見つめる。
私は輪の中心で声をかけた。「大丈夫か」
返答はなく口をつぐんで、顔が土色に変わっていく。
即座に119番へ連絡し人工呼吸をした。
何度か息を吹き込むと、自ら呼吸しまた止まる。
繰り返していると、なんとか呼吸を続けてくれた。
救急車で搬送された病院では集中治療室に入り
医師からは最悪の状態もありうるとのこと。
私の不備で大切な28歳の若者の命を奪ってしまう。
なんとか生きて。
意識不明のまま数週間。
毎日のように訪ねては、祈り続けた。
ある日意識が戻ってベッドに座っている
彼を見た時の言いようのない喜びと安堵。
リハビリ数ヶ月を経て、軽作業が出来るようになり
業種は全く違うが仕事につくことも出来た。
生きてくれていて本当にありがとう。
今週彼と食事をする予定。
彼は落ちた時のこと全く覚えがない。
私はあの光景をしっかりと目に焼きつけ
命の重さを忘れることはない。
昨日、昼前に突然の大雨。
鳥の巣のヒナが心配で見に行くと
なんと親鳥が覆いかぶさって
雨を自らの体で防いでいた。
涙が出た。
大切な命、親の愛。鳥も一緒だ。