1. 概要
ご両親が建設され、お二人で大切に自主管理されている建物。ご子息への引き継ぎ時期を迎えられ、今後の継続的なテナントビル運営の視点から、建物を守り続けるためにはどうしたらよいか、深く考えられていました。
工事区分 | 外装 大規模修繕 |
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所在地 | 新宿区 Rビル |
完成 | 1989年(平成元年) |
構造 | 鉄筋コンクリート造4階建て |
規模 | 延べ460m2 オフィステナントビル |
2. 相談内容
漠然とした「不安」
築30年経過したが、ここまで屋上や外壁の手入れをしていない。今、建物がどのような状況にあって、急ぎすべきことがあるのか、将来対応すればよいことは何か、すべてが分からず漠然とした不安を抱えている。
3. 所見
「不安」のきっかけは、テナントの入れ替わりに伴う内装工事で、壁に発見したシミ。外壁開口部廻りからの雨漏りでした。
このまま内装復旧をしても、入居するテナントに迷惑がかかること、先に雨漏りを解決しなければならないことは明らかで、オーナーも即時ご理解くださり、総合的にビルの健康診断がスタートしました。築30年経過ということで、その他にもケガや病気があっても不思議ではありません。
外壁には経年劣化によるコンクリートの不具合(ひび割れ・爆裂等)、タイルの剥落など、雨水の浸入以外の問題点も多々見られました。
漠然とした「不安」から、ビルオーナーとして解決すべきことが明確となりました。
今ここで、雨漏りを解決することが、更なる建物の劣化を防ぐことになり、更に不動産としての価値を低下させないことにもなります。それはテナントから得る重要な血流である家賃収入の源としてとても重要であり、この雨漏りがそのタイミングを知らせてくれていたとすらいえます。
更に、外壁の劣化は第三者や車両への危害を加える可能性も含み、善良な市民やビルオーナーが傷つくことになります。
4. 処方
解決すべきことが明確になれば、すべきことも決まります。
「ビルの劣化を回復し、価値を高めることで、ビルオーナーご両親・ご子息、更にオーナーの顧客であるテナントにも安心・満足していただく。」そのための提案~施工をするのみです。
5. 効用
安心
知らずに危険な状態まで劣化していましたが、地域や他人に迷惑をかける手前で回復したことで、先ずは漠然とした不安が安心へと転じました。
満足
空き室の雨漏りが解決すると共に、外装劣化が目につかず美観向上したことで、良縁に恵まれて即時良きテナントのご入居が決定。更にビルオーナーとして、外装の美観向上に引き続き、玄関ホールの内装替えまで進められ、全てのテナントが満足するという結果に至りました。
ビルオーナーの意識ひとつで、あっという間にビルが息づき活気が生まれる・・・
そんなことを強く感じた案件でした。