地域密着

初動と誠意。

初動と誠意。すべてのクレーム対応はこの二つに集中する。それしかないと思っています。

最近の事例を、ケーススタディとして振り返ってみます。

初動。
近所のビルオーナー様から、「テナントのエアコンが動かない!」とのご連絡をいただいたのは、木曜日の朝10時。テナントさんが出社されて、エアコンのスイッチを入れても無反応。その日も35度超の猛暑日でした。ビルオーナー様はすぐに「メグミさ~ん」と駆け込んできてくださいました。この時期のエアコンのl故障が、どれほど緊急事態であるかは明確。そして、緊急の修理対応が難しいことも明確です。

先ずは駆けつける。
テナント様は、誰のせいとかどうとか、そんな事とは関係なく、とにかく「困った!」の状態で、なんとかこの状態を早々に解決してほしいという思いしかありません。また、ビルオーナー様もテナント様からの連絡を受けて、「困った困った!」の状態です。

その場で解決しないまでも、とにかく来てほしい!心情が手に取るようにわかります。ですので、地元の利を活かして、こちらも何とか駆けつけます。その時は手ぶらでは行きません。お茶菓子など・・・ではなく、扇風機を2台持参。少しでも風を良き方向に向けるためです。
現地について、エアコンの症状やブレーカーの反応などをチェックし、型式を確認してその場でメーカーのメンテナンス窓口に電話。予測してはいましたが、即時の対応はできず、日曜日に来訪が最短との回答。
テナント様がご納得されるかは別として、そこで騒ぎ立てても進展しないので、申し込みはそのまま通しておき、出来るだけの手立てをとります。

誠意。
「メーカー手配したら日曜日に来てくれるとのことです。」と伝えて終わるのは簡単。まあ言えばこの時期だから、それでも割と早く来てくれる方だ・・・と、後は指をくわえて待つだけ。しかしながら、この時期だからとか、メーカーが混み合っているから、とか、テナント様にはそんな都合はどうでもよく、「これじゃあ暑くて仕事にならない!」の一点ばりなのは、ある種当然と言えば当然なのです。オーナー様も更に「いやあ、それは困った~。テナントが困ってて・・・。」こちらも当然のお言葉。
その心情・言葉を受けて、「しょうがないです。」ではなく、何とか少しでも明かりが見えないか!と探るのは、ビルオーナーから建物のすべてを託されている当社としては、これも当然のこと。
メーカーのメンテナンスはそのまま押さえておいて、取引の電気業者、エアコン取付職人などあらゆる手立てを模索しながら、随時オーナー様・テナント様に報告。ただでさえイライラされている中、「何の努力もしてない!」という思いを抱かせてしまうのは、皆にとって良いことではありません。
修理対応の最中、テナント様から「明日、この応接室に来客が・・」との言葉を受け、スポット型クーラーを手配。翌朝届くように、メーカー倉庫まで引取りも手配しました。

故障の翌朝金曜日。手配したスポット型クーラーを設置し、現在の状況報告。スポット型クーラーは、それほど冷えないようですが、効果はゼロではありません。結果がすべてとは言え、その誠意は零点を回避します。
対応してくれる可能性のある、エアコン取付職人とメーカーメンテナンスに、部品手配について投げかけ、その返答待ち状況でした。結果、メーカーメンテナンスは結局日曜日は見るだけで、その後の見積り~部品手配ということで、解決に至るには更に4~5日はかかりそうな気配。いつもの取付職人さん、忙しい中かけつけてくれて(懇願しました・笑)点検し、必要な部品をすぐに手配かければ、月曜日に入荷とのこと。その部品交換も火曜日の朝7時頃なら、なんとかします!との回答。ありがたくお願いしました。

はじめは「できれば今日中に、どうしても無理だったら明日・・・」テナント様もビルオーナー様も、そして私も同様の思いでしたが、手を尽くした結果の火曜日修理をご理解下さいました。
物事は「頑張った」とかは関係なく、結果がすべて。でも矛盾するようですが、結果はどうあれ出来るだけの誠意を尽くすことは、クレーム対応の必須条件です。

最後にもうひとつ、当社の工事についてのクレームではない場合、大切なのは「立ち位置」。
ここものすごく大事なんです。例えば、テナント様が「だめだ!もう我慢できない!何とかしろ!」と言われたとします。(※本事例のテナント様は、そのようなことはなく、ご親切にしていただきました。)
もし私が「そんなこと言われましても無理なんです。だいたいウチが取り付けたエアコンでもないので、そんなに強く言われましても・・・オーナーさんに言ってください。」みたいな、絵にかいたような「油を注ぐ」言葉を発したら、すべてがメチャクチャになります。
つまり、私は『ビルオーナーと同じ立ち位置、もしくはビルオーナーに100%成り代わるくらい』のつもりで臨まなければなりません。ビルオーナーが謝るべき場面では、私単独でも心から必死で頭を下げてご理解いただく努力をします。反対にビルオーナーとしてテナント様に言うべきことがあれば、言葉をかみ砕いて、双方にとって良き方向となるよう説明をします。

まだ最終的な修理は終わっていませんが、テナント様・ビルオーナー様の「困った」はピークを乗り越えて、緩やかに解決に向かっていると思います。
最後まで気を抜かず・・・この続編がハッピーエンドで書けますように。

 

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